木工職人さんに面白い話を聞いた

昨日、某所に木工作品を出張販売しに来ていたおじさん(お兄さん?)に話を聞く機会があった。

 

売っていたのは、ヒノキなどの木材を使った幼児向けの玩具。暖かくて、丸っこくて、可愛くて、工夫された作品ばかりで、手に取らずにはいられなかった。どうやら京都高島屋でも販売したことがあるらしい。

現在、違う畑とはいえ雑貨制作をする仕事をしているので、たくさんお話を聞いた。それによると、

 

・色を変える時は違う木、木目が悪いところは大胆に削ってデザインに見せる。美しさを追求する

・糸のこで削る

・自分自身も子供を持つ親

・価格は3000円未満に設定

 

らしい。特に気になったのが一番最後。本当に可愛くておしゃれな玩具だったので、一つ3000~5000円ぐらいでも富裕層には十分売れそうなクオリティだった。でも、売っているのは3000円とは言わず1000円未満のものばかり。気になって「なんでこんなに安いんですか?」とお聞きすると、

「自分自身も子供がいるからわかるけど、小さい子供を持つ親って本当にお金がない。でもその中で100均の適当なおもちゃを使うより、木でできた暖かいおもちゃを使って欲しいから、手に取りやすい価格にしている。じぶんの手間賃は度外視で(笑)」

とのことだった。「普段はどこで販売しているんですか?ネット販売は?」とお聞きすると、

「普段は手作り市や自分の製作所で販売している。ネット販売はまだ手が足りなくて展開できていない」

とのこと。

 

「こんな素晴らしくて安価な作品、必ず全国に需要があるからネット販売すればいいのに」と悶々と思って、こんな仕事やってみたいなぁとチャレンジしてみたくなったけど。

 

 

う〜〜〜〜ん、なるほど・・・・・よくよく考えると、「ネット展開していないからこそ、自分の製作ペースの範囲で、価格で販売できる」んだなぁと。

高価格帯で売るのではなく、低価格でお金のない家庭に作品を届けることが彼のプライオリティなのだ。

ネット販売に展開しようとすると、人件費などコストが上乗せされて、価格は上げざるを得ない。利益をあげるために作品が3000円以上になったら、元も子もない。

だから、地道に京都でローカルに、クローズドに売るのが一番の道。ネット販売の入る隙はない。そういうことなんだと思う。

 

 

でも。私は彼の作品を一目で好きになった。もし子供がいたら有無を言わず購入してただろう(仕事中で財布を持ってなかったけどもし持ってたら買ってたし)。だから、全国には一目惚れする親御さんもいるに違いない。

 

「素晴らしいものを、欲しい人に」低コストで届けるには、一体どうしたらいいか。気になってきた。今後の課題かも。

例えば、

Amazon楽天、その他販売サイトに出店するのにいくら費用がかかるか

・インスタで受注販売の仕事なんかはできるのか、そのような提案をものづくりの現場にする仕事はないのか

・販売ルーティンの構築方法

なんかを学んでみたいかも。一時的な興味なのか、人生かけてやってみたいことなのかは分からない。別の興味あること、やってみたいこともあるし。

 

ものが売れない時代、転職が当たり前の時代、それでも私は美しいプロダクトにはそれ相応の価値があって手にとってほしいし、「これで飯食っていく」という気概で就職先を決めたい。

 

今日はここまで。朝から頑張って書いた。